
日本のお香
人間には五官があります。目、耳、鼻、口、皮膚。その中でも臭覚は、生物としての生存に不可欠な器官でありながら、まだまだ解らないところだらけの不思議な感覚となっています。
香りとは、いつも私たちの身近にあって、良くも悪くも、人の心を動かし、生活に密着している世界です。
匂いで気持ち悪くなったり、匂いで心が晴々した事を思い出しませんか?
人間にとって心地よく感じる好ましい匂いは「香り」であり、不快感をもよおす匂いは「悪臭」と呼びます。
鼻は無数の匂いを嗅ぎながら、瞬時に匂いの質、種類を分類し、香りは胸いっぱいに吸い込み、悪臭は吸わないように気をつけます。好ましい匂いには、花の香りや森林の匂い、潮風の匂い等がありますよね? いやな匂いには、ドブの匂い、トイレの臭い、腐敗臭などがあります。
ところが、科学的に分析すると悪臭の元とになる成分は、必ずと云って良いほど花や木の香りにも含まれているのです。 臭覚は本当に不思議な器官です。
古代から世界中で、特にインド、アフリカ、中国、中近東、ギリシャ、ローマ、ペルシャでは、香りを生活の中でうまく活用してきました。
中でもエジプトやローマでは、香料を莫大に消費していたようです。
さて日本ではどうでしょうか?古代の日本文化は、中国からの影響が強かったです。
そしてその中国では、どうやら仏教伝来とともにインド・ペルシャからシルクロードを経て、多くの香料、香木、香油等が伝わって来ていたそうです。
仏前での焚香の儀や、皇帝が天に祈るときに香を焚き、それから上流の女性達が化粧に使うようになったのは、エジプト、ローマ、ギリシャと同じでした。
日本でもやはり仏教の伝来とともに、仏前、神前に焚香がされ始めました。 香料に関しては、古代の文明地よりかなり遅れています。
けれども、他国に類を見ない、香りの芸道が足利時代より興り、発達して来ました。
精神を遊ばせ、気持ちを高揚させ鎮静する香りの世界、「香道」。 それは日本文化の特徴と成っています。
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