○季語の部屋○

長月に紹介した季語です♪
 
長月の季語

夜長(三秋)
秋分も過ぎて、これから日は短くなる一方です。
当然夜が長くなってくるわけですが、最近は夜遅くまで街の灯かりが灯っており、秋の夜長を感じる機会も少なくなっているのではないでしょうか。
人間は、闇に対する恐怖や畏怖といったものから、闇を光で満たしていったのかもしれませんね。
私の家の周りは、夜は街灯の光だけになります。
都会の喧騒から離れたところで静かな夜に浸っていると、なにか特別な空間にいるような不思議な気持ちになることがあります。
秋の夜長、皆さんは何をしてすごしますか?

 山鳥の 枝踏みかゆる 夜長哉  蕪村


蓑虫(三秋)
蓑虫は「みのが」という蛾の幼虫の事をいい、二十以上もの種類があります。
どれもみのを作る事では共通していますが、みののサイズや材料が変わってくるそうです。
また、蓑虫は「鬼の子」「鬼の捨て子」などとも呼ばれます。
これは、みのを着た姿が鬼を連想させるからだそうですが、「枕草子」の中にも「蓑虫、いとあはれなり。鬼のうみたりければ〜」という文章が出てきます。
最近はあまりゆっくりと歩く事がなくなったせいか、蓑虫にお目にかかっていません。
すこし上を向いてのんびり歩いてみようかなと思います。

 蓑虫の 音を聞に来よ 艸の庵(くさのいお)  芭蕉


栗(晩秋)
晩秋にはちょっと早いですが、今回は栗を紹介します。
栗は様々な品種が作られています。
京都・兵庫の「丹波栗」岐阜の「大栗」四国の「阿波栗」中国地方の「岩国栗」などです。
食べ方は、焼いたり茹でたり、栗ご飯や栗金団、栗羊羹など、こちらも色々な食べ方・調理法があります。
私の地元の長野では、栗羊羹や栗落雁などのお菓子も有名でした♪
そういえば先日、近くの小売店で栗の直売をしていました。
店頭に飾られた毬栗(いがぐり)が秋を感じさせてくれました♪

 茹栗や 胡坐巧者(あぐらこうしゃ)な ちいさい子  一茶


名月(仲秋)
月見(仲秋)

「中秋の名月」という言葉は聞いたことがあると思います。
陰暦で八月十五日の満月を名月といい、古くから崇拝や信仰の対象となっていました。
(ちなみに今年は10月の1日です♪)
昔は、農耕上の折り目として芋などが供えられていたそうです。
おだんごや餅、芋、ススキなどをお供えして月を眺める「お月見」も有名ですね♪
陰暦八月十五日を「十五夜」九月十三日を「十三夜」といい、これらの行事を対で行うのが日本独自の風習です。中国の月見にはありません。
ちなみに「十三夜」のお月見は「後の月見」と呼ばれます。

 名月や 池をめぐりて 夜もすがら  芭蕉
 雲折々 人をやすむる 月見なり   芭蕉


赤蜻蛉(三秋)

赤蜻蛉(あかとんぼ)とは特定のトンボの名前ではなく、秋茜(あきあかね)や姫茜(ひめあかね)、深山茜(みやまあかね)などを総称したものです。
馴染みの深いものは秋茜でしょうか♪
これらの仲間は、成熟するとお腹が赤く色づき、山から里へおりてきます。
鮮やかな赤が、秋を感じさせてくれますね♪
皆さんは赤蜻蛉のつがいが、繋がって水面近くを飛んでいるのを見たことはありますか?
あれは水の中に産卵をしているんですよ♪ ご存知でしたか?(^-^)

 夕汐や 艸葉(くさば)の末の 赤蜻蛉  一茶


鶏頭(三秋)

鶏頭(けいとう)という植物をご存知ですか?
鶏のとさかのような赤い花びらが密集して咲く秋の花です。
花の色は、「赤紅」「黄」「白」「紅紫」と色々ありますが、やはり印象強いのは「赤紅」色でしょう。
緑の葉の上に、赤紅の花が映えます♪

 鶏頭や 鳫(かり)の来る時 なをあかし  芭蕉


稲妻(三秋)
「雷」は夏の季語ですが、「稲妻」は秋の季語となります。
稲と雷は昔から関連の深いものとされており、「稲妻」「稲の妻」「稲の殿」稲の夫」などとも呼ばれます。
雷が多かった年には稲が沢山実る事が知られていましたが、「稲妻」と名付けられたのは、稲の結実の時期にちょうど雷が多くて、この雷によって稲が実ると思われたからだそうです。
実際にこの大気の放電現象は、空気中の窒素を増やす事が近年の科学調査で確認されています。雷さんは、いい肥料を作ってくれてるんです。
美味しいお米は食べたいけれど、雷が沢山鳴るのはいやだな〜と思われる方もいるかもしれませんね♪(^-^)

 いなづまを 手にとる闇の 紙燭(ししょく)哉  芭蕉


糸瓜(へちま)(三秋)

夏に黄色い花を咲かせ、秋の半ばから終わりにかけて太くて長い実をつけます。
その実は、からだを洗う「へちまたわし」になりますし、茎から採れる「へちま水」は美容や健康に良いと言われます。なかなか便利な植物ですね♪
棚を作って蔓を這わせてあげると、日よけにもなって涼しげです。

 堂守の 植わすれたる 糸瓜哉  蕪村


鹿(三秋)

ふと思いつくのは奈良公園の鹿でしょうか。
私も修学旅行で鹿煎餅をあげました。ちなみに味はほとんどしませんでした(^^;)
奈良での鹿は、古来春日大社の神鹿としてあがめられています。
鹿と云えば、紅葉がセットという印象がありますよね。
秋の季語になっているのは、鹿の交尾期が秋にあたり一番綺麗に見える時期だからかも知れませんが、やはり山の紅葉と一緒にある姿が印象深いからでしょう。

 鹿啼(ない)て はゝその木末(こずえ) あれにけり  蕪村


睦月 如月 弥生 卯月 皐月 水無月
文月 葉月 長月 神無月 霜月 師走
  失われた季語を求めて  

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